「哀しき雄ライオン」

NHKの動物番組が好きでよく見る。
先日放送されていたのは、「哀しき雄ライオン」。
ぼくはライオンの世界をこういう風に理解していました。


メスで群れをつくり、雄ライオンが一匹で王として君臨する。
外から雄ライオンがやってきて、王を倒すと王は交代する。
新王ライオンは、旧王ライオンの子供たちを皆殺しにする。
それを雌ライオンは黙ってみている。
それが強い遺伝子を残し、数を適正に保つライオン界の秩序だと。


ところが、今回見た番組の中では違ったことが描かれていた。


まず、雌は母親と娘たちだけで群れをつくる。
王は2頭いることがある。この2頭は兄弟であることが多い。
雄ライオンが生まれると、小さいうちから群れを追い出され、
放浪ライオンとなるか、戦いに勝つと、王ライオンとなる。
王ライオンを選ぶのは雌であり、雌は雄同士を戦わせ、
強い遺伝子を見極める。
雄ライオンは、群れの雌の気をひくため、子ライオンを殺すことがある。
子育て中や妊娠中の雌ライオンは発情しないからだ。


つまり、雄は雌に選ばれる立場であり、それは戦いの結果による。
それが自然界で生き残っていくため、種を継続するための摂理なのだ。
やっぱり雄って哀しいんだよね(笑)
王ライオンは群れを守る用心棒であるかわりに
雌が狩りで獲た獲物を独占する。
放浪する雄ライオンなんか、ハイエナの残り物を食べている。つらい。
で、王ライオンにもなれず、ハイエナの残り物にもありつけなかった
雄ライオンは餓死するしかない。
弱いものは淘汰されていく。容赦はない。
増えすぎたら食べられる草食動物たちの数が減り、
自然界の調和が乱れる。これでいいのだ。
でも、やっぱ雄って哀しい存在・・・。