ミスがあるから進化する

自然の仕組みを学ぶと、現実生活にも応用できることが多々ある
と私は思っている。
どちらの立場を取るか迷ったとき、自然(ネイチャー)から
学んだことをベースに、自然(ナチュラル)な考え方が
できると思っている。
たとえば、精子売買を是とするか非とするか。
私は「精子売買で生まれた子ども同士が、
それとは知らずに出会う可能性」があるから、非と考えている。
近親交配は近交弱性といって、遺伝子的に近いものが交配すると、
弱いものが生まれるという自然界の法則がある。
だから、植物などは自分の花粉を自分で受粉しないように、
花粉を飛ばしたあとに雌花が出てくるものがある。
自然の摂理で近親交配はNOという結果が出ているのだ。
遺伝子的に遠いほうが、免疫などで強い個体が生まれる。
いわゆるハーフの人のほうが遺伝子的には強い。
もうひとつ自然から学べることの例が、
「ミスする」ことについてだ。
新しい生命が誕生するとき、親の遺伝子を半分ずつ受け継ぐ。
このとき遺伝子がコピーされるが、まれにコピーミスが起こる。
突然変異だ。
実はこの突然変異によって、環境に順応できる多様性が生まれる。
突然変異を繰り返す中から、環境に順応できるもののみが
淘汰をくぐり抜けて生き延びることができるわけだ。
だから、コピーミスがなければ、生命は進化しなかった。
動植物の生き残り戦略も、実は、遺伝子のコピーミスという
偶然の産物でしかなかったわけだ。
ただし、生命というものは、もともとこのコピーミスを
織り込んだものとして生まれたはずで、それこそが
戦略であり、「生き残るための意志」であるはずだ。
そのように考えれば、ミスというものの捉え方が変わる。
ミスは起きるものとして、最初からそれを織り込み済みで生きる
という考え方が出てくる。
ミスは実はネガティブなものではなく、
成長へのポジティブなファクターなのである。
だから、私たちはミスを恐れるべきではなく、
それどころか、そこから進化への道が開けると考えて
毎日を挑戦的に過ごすべきなのだと思えてくる。