矛盾

もうなんだかよくわからなくなってきた。
今、中国のお話を本にしようとしているのですが、
聞けば聞くほど中国は魅力的で、おもしろい。
でも、マクロな視点で経済を見ていると、いったい誰が儲けて
いるのだろうと不思議になる。
今中国には世界中のメーカーの工場がある。
アメリカのIBMのパソコン部門を中国の企業が買収したが、
それまではIBMも中国でパソコンをつくっていた。
今でもDELLやhpが中国でパソコンをつくっているはずだ。
これをアメリカに輸出している。アメリカから見れば輸入。
そのため、アメリカの対中赤字は大変な額になっている。
中国は対米黒字をアメリカ国債を買うことに充てている。
この構図の中で儲かっている人を挙げてください
1.アメリカ企業
2.中国企業
3.アメリカ政府
4.中国政府
と言われたら、どれを選択しますか。
どれも儲かっている気がするし、どれも儲かっていないような気がする。
経済学を学んでいないから、こういうことがよく理解できない。
日本でも自動車メーカーは中国に工場をつくって世界に売ろうと
している。
かつてGM(ゼネラル・モーターズ)はまだ自動車が普及して
いないころ国民に広く自動車を買ってもらうために、
まず自社の社員の給料を上げ、自動車が買えるようにした。
アメリカ国内では内需が拡大し、物もよいものがつくれるようになる
という好循環が訪れた。
今、それをやろうとする企業はグローバル経済から取り残されるだろう。
「とりあえず、自分のとこだけ儲かればいい」からである。
それが本当の意味で自分たちを豊かにするかどうかは
経営者は考えてみるべきかもしれない。
それでも「しかし」と思う。
日本の国益を考えるなら、自国民を雇って、自国内で生産し、
よいものを自国民に売る(もしくは海外に高く売る)のが最もよい。
それがうまくいかなくなったから、みんな苦しんでいる。
うまくいったところで、日本だけ栄えればいいのかという考えもある。
他国の人を雇って、他国の人に売り、自国に差額だけ送金する意味は
日本の企業としてどこにあるのだろうか。
いや、それをダメというつもりは毛頭ないのだけれど、
そのことと日本に住んでいることの整合性を見出せないのだ。
じゃあ、日本に住んでいたら外資系企業に就職したらダメなのか
というと、そんなわけはない。
日本の技術力は世界の役に立つとも思う。
すべてにおいて理にかなった生き方はもうできなくなっている
のかもしれないとふと思う。どこかで矛盾が生じる。
とりあえず、わからないなりにいま思うのは、
大事なのは、自分がどう生きたいか、そして、日本や日本人という
枠組みをどう考えるかということになる。
日本や日本人という枠組みを考えることは、社会を考えることになり、
家族を考えることになり、やっぱり自分の生き方を考えることになる。
堂々巡りになりそうなのでこの辺で。