「日本ほどよい国はない」

ある全国紙で海外支局の支局長を務めていた先生と
前に本をつくったことがある。
彼の話では「支局長OB会」みたいなのがあって、
他の全国紙の海外支局長OBたちと定期的に会って懇談するという。
会では日本の現状についてああでもないこうでもないと
話は盛り上がるのだが、いつでも最後は結局、
「でも、日本ほどよい国はないよね」ということで意見が一致するらしい。
酒も入ってのことだろうけど、まったくぼくもそう思う。
ぼくなんかオーストラリアとアメリカしか行ったことはないが、
海外に行かなくても日本がどれだけよい国か少しはわかっているつもりだ。
アメリカや中国ほど貧富の差はなく、
中東より自然が豊かで、南米やアフリカより治安がよい。
日本人は自分の故郷自慢はするのになぜ日本自慢はしないのだろう。
なぜ故郷自慢をするのと同じ熱っぽさで日本を語らないのだろう。
残念なことです。
東京に来た地方出身者は最初のうちは自分の故郷を
「あんな田舎」と卑下するが、年をとってくると望郷の念が強くなって
どんなに空気や食べものがうまくて、人情に厚いかを語るようになる。
たぶん、海外に住んでしばらくしたら「日本は素晴らしい」と
気づくと思う。そうでないと気づけないのはなんかさびしい。
ある層に向かってこういうこというと、すぐに「右翼!」って
なってしまうんだけど、右翼左翼なんか超越して語りたいものですね。