円高になって生活はどう変わる?

円高になって、私たちの生活はどう変わるのか。
普通の生活しているぶんには、円高になったからといって、
ファミレスが円高還元セールでステーキを安く出すくらいしか
変化を感じないのが庶民の感覚でしょう。
この円高の背景にはドル安、ユーロ安があるわけなんだけど、
そのせいで円が買われたために、さらに円高が進んでいると認識している。
リーマンショックやらギリシャ問題なんかで、欧米が傷んでいるから、
「日本の円のほうが大丈夫そうだ」ってことになっているのでしょう。
「いや、日本だって1000兆円ぐらいの借金がある」という。
でも、この1000兆円のうち、9割は日本国民が国債を買っているので、
ギリシャみたいにならずに済んでいるということであるらしい。
そういうわけで、円高になっているんだけれども、
私たちが生活する上で、ファミレスのステーキ以外にどんな影響があるか。
日本は海外から資源を買って、それを加工して海外に売ることで
外貨を得る、加工貿易で発展してきた。
海外から買うものより、海外へ売るほうが多いものだから
貿易黒字が大きくなり、それが日本国民の裕福さの源泉になっている。
いまの日本の1.5%とかいうGDP成長率は、日本企業が海外で
稼いだものが国内に還元されたために成り立っているわけだ。
トヨタやホンダやソニーパナソニックなど、海外で稼いでいる企業は
円高になると、ドルやユーロで得た収益を円にすると損になる。
1ドル120円だったときは、アメリカで稼いだ1ドルは120円に
替えて日本で使うことができたけど、1ドル80円だったら、
アメリカで稼いだ1ドルを円にしようとすると80円にしからならず、
実に利益の1/3が吹っ飛んでしまうことになる。
こうなると、現地で稼いだお金は円にすることができず、
日本国内に還元されないことになってしまう。
だから、行き過ぎた円高は問題だ、となっているのだと思う。
しかし、円高にもいい面がある。
海外のものが安く買えることだ。
日本企業は海外の企業を安く買えるし、1ドルのものを買おうと
すると、120円必要だったのに、80円で済んでしまう。
ファミレスのステーキと同じように、たとえば、IKEAの家具や
コストコの食料品が安く買えるようになるはず。
まあ、とにかく、1ドル117円で買った1000ドルは、
当分塩漬けにしておくしかなさそうだ。