徹夜の仕事

「徹夜なんかして仕事はするべきじゃない」
「仕事は定時に終わらせるべきだ」
と基本的には思っている。
だが、やっぱりどうしても
徹夜をしなければならなくなってくることもある。
つい先日、仕事をお願いした外注先の方に
徹夜をさせてしまった。
でき上がったものを持ってきていただいたとき、
ヒゲは伸び、少し疲れた顔が見て取れた。
一つのものを何人かでやり取りして、
自分がまとめる立場にいるとき、誰にもしわ寄せが
いかないように気を使っているつもりだ。
だが、やはりどこかで誰かにしわ寄せがくる。
なぜ彼に徹夜をさせなければならなかったか、
どこか自分のレベルで前倒しして進めることは
できなかったか、彼が帰ったあと、深く反省し、
落ち込んでしまった。情けない。
人に徹夜するような仕事をさせるなんて最低だ。
自分が徹夜してどうにかなるものなら、
どうにかするべきだった。
これまで自分なりに仕事はやってきたつもりだった。
だが、もっとできたのではないか、
彼に徹夜をさせなくてもよかったのではないか――。
彼は今まで無理なスケジュールをぼくから言われても、
「できない」とか、「間に合わない」などと
言ったことは一度もない。
「徹夜した」とも絶対に言わない。
ニヤッと笑って、黙って、絶対にそのとおり仕上げてくれる。
本当にプロフェッショナルな仕事だ。
そういう人に無理な仕事をさせないように
するためにも、仕事は絶対に手を抜くことはできない。
もちろん、手を抜いたつもりはないが、まだできることがある。
まだできる。もっとできる。
これでいいということはない。