谷と田村

アテネオリンピックでヤワラさんこと、谷亮子さんが優勝した。
大学の先輩に当たる(同い年)だけに、金メダルはよかった。
ところで、足のケガがあったのに、彼女、よく勝てたものだ。
その理由をいろいろ考えて、私はある結論に至った。
各国のライバルたちは、
「谷が、あの田村亮子だと知らなかったのではないか」と。
「今回、田村出てないの? だったら楽勝じゃん」
と考えていたのだ。
ところが、畳の上に立ったとたん、
「あれ? 谷って、田村じゃん、だまされたッ!」
「マジ、やられた」
と思っていたのだ。そうか、そうだったのだ。
谷亮子の、人生をかけた陽動作戦が
功を奏したというわけなのだ。
シドニー五輪では、「最低でも金、最高でも金」
アテネ五輪では、「田村でも金、谷でも金」
という、なかなかキャッチーな名言を吐いた。
次の北京五輪では「30代でも金、お母さんでも金」
の名言を言ってくれるものと、
ひそかに期待している。