ラグビーのおもしろさ 1

今回のW杯で、ラグビーの面白さを知ったという人も多いだろう。

私が思うおもしろさのひとつに、

他のスポーツと違って、ポジションの個性がはっきりしている

というのがある。

ラグビーは大きくFW(フォワード)とBK(バックス)に分かれる。

一般にFWは体が大きくて力強い、

BKは体が小さくて俊敏である。

一般にラグビーのようなコンタクトスポーツでは

体の大きいものが有利と思われがちだが、そうでもない。

身体が大きくなると、スピードは普通落ちる。

すると、俊敏な選手に抜かれてしまう。

体重とスピードはどちらを高めようとすると、

どちらかが低下するというトレードオフの関係になる。

大きな選手がボールを持って走るときは、

小さな選手に対しては有利になるが、

逆のときは、立場が完全に逆転する。

このことは、大きい選手が絶対的に有利ではないことを示している。

力強いことや、スピードがあることは、

それだけでは単に優れている特徴にならず、

「単なる違い」にしかならない。

「みんな得意なことが違っているだけで、

優劣というものはないんだ」

というのがラグビーをおもしろくする。

そして、これは世の中のあるべき姿でもある。

できるできない、上手い下手ではなく、

みんな好きなことや、得意なことが違うだけなのだ、

そして、違っているから社会は豊かになるのだ。

そう考えられたら、世の中からいじめなんてなくなるよ。