「相続は少額ほど争う」は本当か? 

それって本当かって、立ち止まることは多い。

「こういう人が多い」「こういうケースが多い」

というときは、よっぽど気をつけないといけない。

そのひとつに「相続は少額なほど争う」というもの。

私はしばらくこのことを深く考えないでいた。

けれど、これってどうなんだろう。

それって単に母数が多いだけなんでは?

多額の相続が発生する人は、どう考えたって

少ないわけですよ。

何千万円の相続をする人より、数十万の相続をする人のほうが

圧倒的に多いわけですよ。

相続の争いが同じ確率で発生するとしたら、

ケースの数としては圧倒的に少額で争うケースが多くなる。

周辺で見聞きするケースも多くなる。

すると、人は「少額の相続ほど争う」と勘違いする。

そこには、「人間というのは少額でも争うちっぽけな存在」

などと悲観したい心情が入り込んでいる。

母数のマジックは、言われてみないとあまり気づけない。

記事を書くときには、そういうことに気をつけておきたいものだ。