優先席での携帯電話マナー

マナーの話で、書いておきたい話がもうひとつある。
優先席での携帯電話禁止の件についてだ。
「優先席付近では携帯電話の電源をお切りください」
と車内アナウンスも毎日聞く。
だが、スマートフォンの登場以来、誰も守ってないだろう。
守る人がその席周辺にいないからなのではなく、
単純に誰も守っていないのだ。
日本人はマナーに関しては、間違いなく世界一高レベルだ。
そんな人たちが誰も守らないルールはこれぐらいのもんだろう。
鉄道会社は医療機器の誤作動を引き起こすという理由で
このマナー啓蒙をしているのだが、その医学的、機械的
カニズムはよくわからないままだ。
医療機器とは主に心臓ペースメーカーを指すと思うのだが、
携帯電話やスマホを使ったことによって、これらの機器が誤作動した
という話はいっさい聞いたことがない。少なくとも死亡例はゼロだ。
ネットで検索してもそんな話は出てこない。
このマナーの根拠は、昔、携帯電話が登場したころ、携帯電話と
心臓ペースメーカーをごく近くで使用した場合、
「誤作動する可能性がある」ということだったようだ。
しかし、携帯電話も心臓ペースメーカーも進化している。
携帯電話と心臓ペースメーカーを22センチ離せば、
問題ないとしている。
最近はさらに技術が進んで、携帯電話と心臓ペースメーカーを密着させても
ほとんどの場合は問題ないレベルになっている。
もし本当に心臓ペースメーカーから22センチ未満の距離で携帯電話を
使ったとき、心臓ペースメーカーが誤作動する可能性があるなら、
満員電車になる可能性のある列車はすべて使用禁止にしたほうがいい。
なぜなら、「今日は大丈夫だ」と思って一般席に乗っても、
あとから満員電車になる可能性があるからだ。
それに、心臓ペースメーカーをつけている人も携帯電話を使いたいはずで、
そんな危ないものを携帯電話メーカーがつくるのだろうかという疑問もある。
私も一度、注意をされたことがあるが、
今でもたまに使っている人に注意している高齢者がいる。
おじいさんなどは、かなり憤慨して強い口調で言う人もいるし、
そわそわとして落ち着かないおばさんもいる。
インターネットの情報に触れることのない心臓ペースメーカーを使用する
高齢者は、電車内の表示やアナウンスを信じるしかない。
このマナーを守る人がいないからではなく、
心臓ペースメーカーをつけている人を、無用に不安にさせないために
電車の表示やアナウンスはやめたほうがいいと思う。
それに、心臓ペースメーカーをつくる企業は、現在では携帯電話による
誤作動はまずあり得ないことを医師に説明し、医師から患者に
説明するように徹底すべきだ。
いまや携帯電話に限らず、電波は飛びまくっている。
そういう電子機器を町中で見るたびに怖い思いをするなら、
そのほうが絶対に心臓に悪いと思う。
優先席での携帯電話使用を注意する人は、
心臓ペースメーカーの使用者でない可能性がある。
つまり、正義感で注意しているのだ。
こういう人の場合、始末が悪い。
自分が正しいと信じて疑わない人たちだ。
やっぱりこういう人のためにも車内表示とアナウンスは
やめてもらったほうがいいと思うのだが、どうでしょうか。