大事なことは繰り返すべし

以前、何冊も本を出している元医師からこういわれた言葉が
ずっとひっかかっている。
「大事なことは何度も言わないといけない。
だから同じ内容を本にしてもよい。
一回で伝えようなんて傲慢」


同じような内容の本ばかりつくるのは
読者に対するサービスという面でどうなのか
という思いがあったが、この言葉で吹っ切れた。
「大事なことは何度も伝えないと伝わらない」ということは
今の世の中を俯瞰しても当てはまる。
昔から「こういうことをしてはいけないよ」という教えがあって
それが世の中に浸透したとしても長くは続かない。
常に言い続けないといけない。
ねずみ講とか、詐欺的商法など、
「いまだに騙されるやつがいるんだ」と私たちは思うが、
お金を持つようになった新しい世代がどんどん出てくる。
彼らは過去にそんなものが流行ったことなど知らないから騙される。
(これはなぜ流行が繰り返すのかの答えにもなる)
炎天下の車内に子どもを置き去りにしてはいけないということは
もはや常識だが、子どもをもっていない人にはこういう常識は
耳に入ってこないのだから、子どもを持った人には
繰り返し説かないといけない。
世代が変わって知らない世代が台頭することを
頭に入れておかなければならないと思う。


以後、私は著者となる人には
「大事なことは繰り返し書いていいと思います」と
胸を張って言うようにしている。