ウソでもいいから

世の中には言っていいウソと悪いウソがある。
「梅雨明け宣言」は、言っていいウソの部類である。
毎年、この時期になるといつ梅雨明けするのか人々はソワソワしだす。
「沖縄はもう明けたらしい」「九州まで明けたらしい」などウワサする。
私たちは「梅雨が明けるまで夏は来ていない」ということになっている。
夏が来たのを実感するのは、高校野球の話題でも入道雲でなく、
「梅雨明け宣言」なのだ。
これは桜の開花情報と同じで、桜が開花しないとどんなにあたたかい日が
続いても人々は春を実感しないのである。
その意味で気象庁の役割は重大なのである。
なのに、近年は雨が降らなくなり、暑い日がしばらく続いてから
「梅雨、明けましてん」と発表されることが少なくない。
そんなのだったら、私でもできる。
「最後の雨」が上がった瞬間に「梅雨、明けましてん」と宣言するのが
専門家の役目だろうって思ってしまう。
もちろん、気象の専門的な「梅雨の定義」があって、
その状況が解消されたときに初めて梅雨明けとなるのだろうが、
私たちにとってはそんなことはどうでもよく、
早く夏がやってきてほしいのである。
早く梅雨が明けてすっきりしたいのである。
だから、梅雨明け後、多少雨が降ってもいいので、
早めに梅雨明け宣言してほしいのである。
多少のウソでもいい。
子どもたちだって早く夏休み気分に浸りたいはずなのだ。
誰が最終決定するのか知らないが、切にお願いしたい。