自分で会計するラーメン屋

「これは商売としてどうなのか?」
と思ったラーメン屋に出合った。
自宅から徒歩7,8分のところにあるとんこつラーメンのお店。
以前から気になっていたのだが、まだ一度も食べたことがなかった。
ネットでの評判も上々の様子。店主がひとりでやっている。
雨が降っていたからか、入ると4人ほど若い客が食べ終わった
ばかりようで、11席ある店内に客は私たち夫婦だけになった。
この界隈ではとてもおいしい部類にはいるのではないかと
思えるぐらい美味であった。
だが、驚いたのは会計の方式だ。
目の前に小銭が500円、100円、50円、10円とわかれて
それぞれステンレスのトレーに入れてある。
「お会計はご自分でお願いします」と壁にも張り紙してある。
二人で1350円だったので、2000円を置いて、
650円を取って帰った。
「客を信用しているいい店だな」と一瞬思うが、なんだか味気ない。
こういうのはなんだか試されているようで好きじゃない。
券売機も好きじゃないが、こういうのも好きじゃない。
客商売というのは、ただ商品がよければいいというものじゃない。
店主がひとりでやっているなら余計に、客から直接に
お金をもらったほうがいいんじゃないか。
やっぱりお金のやりとりは顔を見てやったほうがいい。
そのとき「ありがとうございました」と言ってもらったほうが
こちらとしても気持ちがいい。
吉野家では券売機がない。
券売機にすると「ありがとうございました」を店員が言うチャンスを
失ってしまい、客に気分よく帰ってもらえないとのことで、
設置の検討をしたものの見送ったという。
ラーメンがおいしかっただけに、どうしてこの店にもっと客が
入らないのか不思議だ。
今の時代はうまければ、駐車場などなかろうと客は来る。
ただ、同じように券売機、店主ひとりの店で行列のできる店もある。
何が違うのか、まだわからない。
あと数回はこのラーメン屋に行ってみる必要がある。