「こちら犯罪商社」

友人が架空請求会社からの督促の電話で困っているという。
一日5〜6件ほどかかってくるんだって。
もちろん、その友人は全く身に覚えのないことなのだけど、
「どうなっても知らないぞ!」とか、「よおくお考えください」
などと脅し文句を言うのだってね。
まだ闇金業者のほうがかわいく思える。
金を貸してもないのに、なんかしらサイトを利用したと因縁つけて
うん万円を払えというのだから。
しかし、一日、5〜6件なんてご苦労なことです。
そんなに電話をするのが好きなら、コールセンターとかに
バイトに行けばいいのにね。
実際、こういう犯罪組織もコールセンターみたいになってたりしてね。
んで、ノルマがあったりしてね。営業成績が壁に張ってあって
バラが付いてたり、グラフになってたりしてね。
部長が「今月のノルマがまだ達成できてないぞ」なんて檄を飛ばしたりしてね。
朝礼でスピーチなんかがあったりしてね。
「今日、新聞の社会面を見ていたら、お年寄りを狙ったリフォーム詐欺という
のがあるそうです。我が社でも取り入れるべきだと思います」なんてね。
そしたら、部長が「うむ、可能性はあるな。安部君、ちょっと明日までに
ラフでいいから企画書つくってくれる?」みたいなね。
犯罪組織もすんごい商社みたいに普通の会社になってたりしてね。
研修とかあったりするの。
企画開発部門の人が、取り立ての現場とかに研修に生かされて、
「やっぱり現場は大事だよ」とか言ってみたりしてね。
一日5〜6件もかける執念深さと粘り強さがあれば、他の仕事したほうがいいよ。
他の仕事でもきっと十分やっていけるよね。