人はどこいった?
いまはどこもかしこも機械が相手してくる。
レストランに行くと、機械で注文し、
ロボットが料理を運んでくる。
おもちゃ屋でもトレーがついたロボットが、
こんな商品はどうかと勧めてくる。
アメリカでは、ロボットが野球の審判をするようになった。
そのうち選手もロボットになるのではないか。
似たようなことが、自宅で起こった。
最近、自動音声でアンケート電話がかかってくる。
政府与党の政策を支持するかとか、そういうたぐいのやつだ。
自宅の電話はだいたい留守電の自動音声が対応するようになっている。
「この電話はアンケートにお答えいただくための……」
「ただいま留守にしています。ご用件のある方は……」
と双方が自動音声でやり合っているのだ。
この決着はどうつくのかと思ったら、
そのままアンケートの音声は続いて、
適当に留守録が始まって適当に録音は切れた。
どっちも人の声だが、コンピュータが判断して流されたもの。
にんげん不在である。
まったく。