種の存続こそが目的 

動物も植物も「仲間を増やすために生きる」ことしか目的はない。

そうでなければ生命の誕生の瞬間から今まで、生物が命を

つないでこられなかったのだから。

「仲間を増やす」とは生殖である。

こういうと、「子どものいない私は?」ということを思う人もいるが、

「仲間を増やす」とは生殖だけをいうのではない。

仲間の生存を助けることもひとつだ。

仲間が死なずに生きていることができれば、生殖の機会が増える。

アリやハチなどは女王蟻、女王蜂しか子どもを産まないし、

オスもごく少数しか生殖に参加しない。

他のメスやオスは、生まれた子の世話や、外敵に襲われたときの

兵隊として生きる。

各自が役割分担して、「種」が存続することを企図しているのだ。

人間でいえば、税金を納めることがまずそれだ。

「社会的子育て」みたいな概念を持ち出さなくても、税金を

納めているだけで種の存続に役立っているのだ。

働いていなくても消費税は払っているだろうから。

もっと広くとらえれば、働いて税金を納めなくても

社会に参画して誰かと関わることは、種の存続に役立つ。

いまはストレス社会だから誰かの話を聞いてあげるだけでもいい。

こう考えていけば、いなくてよい人は誰ひとりとして

いないということになる。