「ブタ」と「デブ」の使い分け 

「容姿侮蔑発言」で思い出したのが、関東と関西の違い。

関西では太っている人に「ブタ!」というのは愛情のある

言い方なのだそうだ。

ところが、関西で「デブ!」というと、侮蔑発言になって

ケンカになるのだという。

これが関東になるとまったく逆になり、「デブ」はまだしも、

「ブタ」は人にあらずということで侮蔑発言になるという。

この点、「アホ・バカ」論争に似ている。

かつて探偵ナイトスクープという関西の番組で、

「アホとバカの境目はどこか」という調査を行ったことがあった。

日本全国の市町村の教育委員会宛てにアンケートを送って

調査した。当時はネットなんてないからすべてアナログだ。

確か記憶では静岡や岐阜あたりを境に、アホは勢力を弱め

山梨以東はバカが隆盛となる結果だったと思う。

(これにより番組は日本民間放送連盟賞を受賞した。

 ちなみに岡山では「アンゴウ」である。)

また、別の番組で中央自動車高速道路と名神自動車道のPA
SAでどこからうどん・そばの汁の色が変わるかというのを

やっていたのを目にしたことがある。

これもやはり関ヶ原あたりから東になると、ぐっと色が濃くなる。

関西と関東を分けるのは、滋賀や岐阜、三重や福井にあった関所の

東西を意味するというのが通説である。

関所では通行料を取ったから、簡単に行き来はできない。

そこで人の移動の流れがいくらか分断された。

人が行き来しなくなると、文化的にも断絶が起こるのだろう。

江戸時代が終わって150年以上経ったいまでも

それがいろんなところで息づいているのはおもしろい。