祖母が口にしていたことはいくつかある。
「昔は年寄りが体がいごかんようになるというのがわからんかった。
でも、いまはそれがようわかるんじゃ」
それを聞きながら、少年だった私も
「いつかはそれを思う日が来るのかな」と思ったりした。
40代になってわかったことが、たくさんある。
ひとつひとつ明らかにしていこう。
題して、「ぼくが40代になってわかったこと」だ。
まず一個目。
昔は老眼がどういうものかわからなかった。
でも、いまはわかる。
「お父さんこれ見て」
そうして子どもに差し出されたものが見えなかった。
近視の人は老眼が遅いというが、極度の近視のぼくも
ようやく老眼になってきたということなのか。
でもまだスマホを腕いっぱい伸ばし見るまでではない。
これからそうなるのかな。
なったらなったでそのとき考える。