今を生きる

同窓会で昔を振り返っていると、よくあるのが、
「あの頃に戻って勉強をやり直したい」という話題。
みんなやり直したいんだねー。ちょっと意外。
ぼくはまったくやり直したいなんて思わない。
もうちょっと勉強をやっておけばよかったとは少しは思う。
ただ、それは今、社会経験を積んだからこそ勉強もおもしろいと
思えるのであって、高校生の頭ではあれが限界だったと思う。
自分の子どもを見ていると、人生をやり直しているような
気分になって、ああやってみて、これやんなさいというのだが、
本人はそれをやることの意義を自分で見つけ出してないから
いまいちやる気が出ないようなのだ。
これと同じことで、いま社会経験を積んだ頭で考えたことを
昔に持って行っても成立しない。
だから、子どもが自分でやることの意義を見出さない限り
何をやっても長続きしないし、身につかないのだ。
高校生のときに勉強する意義を自分で見いだせなかった自分が悪い。
このことは、今の自分にも言えることで、
年をとったら「せめて30代のときに英語を勉強しとけばよかった」
と思うかもしれないが、現時点でそれができないのと同じことだ。
だから、人生の時間を空費しないようにするには、いろんなことに興味を持ち、
いろんな人と出会い、自分が生涯続けられることと出合うための
準備をしておくことに尽きると思う。
70歳になって「せめてわしが30歳若かったら」と思うことを想定して、
そうならないように今を有意義に過ごすことしか私にはできない。
人生をやり直すくらいなら、今を精いっぱい生きるよ。