「一人勝ち」はできない

ウイルスというものは、毒性が強いと流行しない。

毒性が強いと人に感染しても人が死んでしまうと、

ウイルスも死んでしまうからだ。

ウイルス目線に立てば、人を殺さずに感染を広げたい。

ただ、自分たちも増殖したい。

増殖したら、宿主を傷つけてしまう。

だから、「生かさず殺さず」で繁栄したい。

宿主を殺してしまったら、自分が生きられない。

世界で何万もの人を殺している新型コロナウイルス

アホやなあと思う。

自分の住み家を奪ったら、自分も生きられないのに。

 

 

この新型コロナウイルスは、人間がこれまで住んだことの

ないところに住むようになったために、いろんな動物と

接するようになり、人に感染するようになった。

森を切り拓き、家を建て、養殖場をつくってエビや家畜を

育てるようになった。

人が増えすぎたためにそうせざるをえなくなった。

自分たちが生きるために、新天地を切り拓き、

そのせいで自分たちの棲む場所を自分たちで失くしてる。

アホやなあと思う。

自分の住み家を奪ったら、自分も生きられないのに。

 

 

人間にとっての地球は、ウイルスにとっての人間。

自分の生息範囲を広げようとすると、

結果として自分たちの住み家を狭めてしまう。

よくできたパラドックスではないか。

自然界では「一人勝ち」はできないようになっている。

ダーウィンは言った。

「生き残るものは強いものや賢いものではなく、

環境に順応したものだ」

「一人勝ち」ができないのなら、共生するしかない。