私は今まで著者となる人の話を聞いて、
原稿にするという聞き書きをたくさんやってきた。
それをゴーストライターだと思ってきた。
でも、２０年やってきてはじめてそうではないのかも
しれないと気づいた。
ゴーストライターというのは、有名人の名前だけ借りる
ライターのことらしいのだ。
だから著者となる人から話も聞かない。
そういう仕事があるとは、ちょっと聞いたことはあった。
著名な競馬騎手とかね。
「最初は話もして原稿もチェックしていたが、
今はチェックもしない」
とかね。
どうやらこういう話はけっこうあるらしい。
名前だけ使うケースね。
その記事を書いているのがゴーストライターなんだって。
その意味でいくと、私はゴーストライターではない。
いままで人の話を聞かずに本をつくったことはない。
（既刊本を再編集した本をつくったことはあるが）
出版人たちもこういう本のことは大きな声で話さない。
私はゴーストライターはやりたくないなあ。
せめて話を聞きたいなあ。
そう思うのは、書くことより、人の興味があるからかなあ。
