傾聴

自宅をよく訪ねてくる近所のおばさんがいる。
子どもにとお菓子を持ってきてくれるのだが、
そのとき、いろいろとお話をされる。
地震とか電気とかをキーワードとした
政府の陰謀みたいな話が多い。
あと大企業の名前もよく出てくる。
水道の成分としてよくないものが入っている
という話も多い。
よくインターネットに載っているような
エセ科学みたいな話をされる。
話を聞きはするのだが、こちらとしてはまったく要領を得ない。
思い出そうとしても思い出せないような話なのだ。
しばらくして気づいたのは、
話の内容がどうとかより、話すこと自体が
したいのだろうなということだ。
以来、適当にあいづちを打って、
「ふーん、そうなんですね」と話を合わせている。
しばらく話すと、満足した様子で帰っていかれる。
こういう傾聴もあるのかもしれない。