維摩経に関心

最近特にNHKの番組が面白いと思えるようになった。
おじさんになったなあと思う。
先日も「100分de名著」という番組で維摩経という
仏教経典を扱っていたので、興味深く見た。
かの聖徳太子が日本に紹介したのが維摩経で、
他の仏教経典と違い、在家におけるブッダの弟子である維摩
教えを説くというユニークな形式が特徴だ。
とにかく、維摩のキャラクターが秀逸だ。
物語は、病気で床に伏せっている維摩を、釈迦の弟子たちが
見舞いに行くというスタイルとなっているのだが、
釈迦が見舞いを頼んでも弟子たちにことごとく断れられてしまう。
弟子は、かつて維摩に論破された経験があり、気が進まないから
というのだ。
維摩は、人の嫌なところをあえて突いてくる、
嫌みなジイさんとして描かれている。
その論破する議論の内容は、それまでの仏教のスタンダードな教義や
考え方を根底からくつがえすものとなっている。
既存の枠組みを解体して、新たな価値観が問われている現代。
維摩経の教えは、いまこそ必要なのかもしれない。