学力向上本へのアンチテーゼ

「目には見えない根っこを太らせる教育の本」
の企画を知り合いの編集者に勧めてみた。
反応はこうだった。
「う〜ん、いま売れているのは、学力を高める本なんですよねえ」
「子どもの教育に熱心な」というのときの「教育」の中身は
だいたいが学力向上を指す。
学校でいい点を取ることが、相変わらず求められている。
点数は、子どもがどこらへんの位置にいるかわかりやすい。
でも、点数で計られてばかりいる子はどう思うだろう。
点数に現れないところも、ちゃんと成長を認めてほしいよね。
でも、親に「目に見えにくい面を評価する視点がない」のだ。
どんなところが成長なのかわからない。
親も忙しいからね。
だから、目に見えやすいテストの点数で子どもを計ろうとする。
そういう親はこういう本を求めているのではないか。
だいたい、親は子どもにばかりがんばることを求めすぎる。
それじゃあ子どもは苦しいよ。
「学力が高ければそれでいいのかな」と思っている親も多い
のではないかと思う。
「目には見えない根っこを太らせる教育の本」は、
需要があると思うのだけどなあ。