次女の成長

先日、4歳の次女の幼稚園での劇を見に行った。
人間の落とした手袋に、森のたくさんの動物が暖を求めて
入ろうとする絵本を劇にしたものだ。
配役はうさぎやきつねなど7つの動物だけ。
子どもたちは当日、自分のやりたい役を決める。
次女のクラスでは、2組に分かれて、10人ずつが
交代で2回の劇を行う。
次女は2回目のメンバーだった。
しかし、1回目のメンバーたちは、やりたい役が重なって
なかなか話がまとまらない。
そこで、「誰か○○の役をやってくれないかなあ」というと、
次女が手を挙げた。それで無事に劇は始まった。
2回目のメンバーたちも特定の役に集中して
話がまとまらない。
そのとき、次女は自分がやりた役を降り、空いた役に
代わった。その役はもうひとりやるという子が出てきて
2人になったが、まだ別の役をやる子がいない。
次女はまた誰もやりたがらない役を進んでかって出た。
わが子ながら関心した。
自分がやりたい気持ちがありながら、それをいったん封印して
全体のバランスをとるために動けたわけだ。
それがいいとばかりいえないこともあるが、全体のために
利他的行動を取れることは成長している証だと思う。
実は劇を演じることよりも、みんなが話し合いによって、
役を決めていく過程のほうを、この幼稚園では重視している。
自分には「こうしたい!」という気持ちがあるのと同時に、
他の子にもそういう気持ちがあるのだということを
気づかせ、その気持ちにどう応えていくのかということを
考えさせようとしているのだ。
だから、この4歳児クラスの観劇会は、劇の時間よりも
子どもたちが話し合っている時間のほうが長い。
この幼稚園のおかげで、子どもはしっかり育っているなあ
と思えたひとときだった。