子どもには助詞が難しい

言葉を使うことを生業としていることもあって、
言葉っていうのは奥深いなと思うことがある。
子どもがどういう段階を踏んで言葉を覚えていくのか、
見ているととても面白い。
2歳になった次女は、すでに文章で話ができる。
そのとき、助詞はまだ難しいらしく、文節を確認しながら話す。
「今日、児童館、行く?」という具合だ。
「今日は児童館に行くの?」と言っている。
これは日本人が拙い英語で話す時も、
「Today,park,go?」といっても外国人に通じるのと似ている。
「は」とか「に」とか「へ」などの助詞の使い方が
難しいというか、経験的に慣れていないので、いまは単語で話しているわけだ。
だから、幼児はよくこんな間違いをする。
大人が「血が出た」といっているのを、
「が」という助詞の存在を意識できないので、
「血」を「ちが」であると判断し、
「〝ちが〟が出た」と言ってしまうのである。
言うときには、自然と「が」を言えるのだが、
聞くときにはそれを意識できないようなのだ。
また、たとえば、大人が「蚊に食われた」というと、
「蟹に食われたの?」と不思議そうな顔をする。
「に」が助詞であると認識できていないのだ。
そういえば、英語の上達には
「to」や「for」など、簡単な単語の使い方を覚えることだ
と誰かに教わったっけ。
間違いはそのつど正すのが、子どもの言葉の上達を早める。
いつか語学を本格的に学ぶときまで、このことは覚えておこう。