数字に騙された

数字の見方には多少気をつけているつもりだったが、
まったく見誤っていた。
いま超就職氷河期といわれており、大学生の内定率は最終的に
91%程度で、毎年4,5%下落している。
ところが、実際の大学生の有効求人倍率は1.6倍程度という。
ならばなぜ氷河期なんてことになるのか。
どうやら、大手企業の求人倍率が、0.4倍程度らしく、
大手思考になっている学生が多いかららしい。
逆に中小企業の求人倍率は4倍程度である。
大手を希望する学生1人につき、0.4社しか求人がないのに、
中小企業だと学生1人につき、4社が手を挙げていることになる。
今まで就職氷河期なんて言葉を鵜呑みにした自分がバカだった。
氷河期でもなんでもなく、問題にすべきは学生の大手思考だ。
不景気だから、大手に入りたい気持ちはわからなくはない。
でも、会社に入ることが目的になっていて、
どんな仕事をしたいかというのが置き去りになってる気がする。
私の場合、「大手だと出版の一部分しか見られない。
中小なら最初から最後までやれる」と思って、
大手出版社は片手に余るほどしか受けなかった。
もちろん、いっぱい受けてもたぶん難しかったと思うけど。
受からなかったら中小企業も受けてみればいいと思う。
私の会社なんか零細企業だけど、どこからお金が入ってきて、
どこへ出て行くか全部わかるから、仕事の川上から川下まで
とてもよく見える。
「扱うお金が小さいと人間のスケールも小さくなる」と
いう人もいるけど、大きいお金を扱う人ばかりで世の中成り立っている
わけでもない。


まあ、なんにせよ、数字というのは便利なものだけど、
怪しいものになることもある。
気をつけないとね。