スターの悩み

歌手の宇多田ヒカルが「人間活動に宣言したい」とかの理由で
活動休止らしい。
宇多田ヒカルの曲を聴いたとき、いい曲だけど歌詞は現実離れ
しているなと思った。
なにしろタクシーを飛ばして彼に会いにいくのだから。
それができたのは、バブルの時代の男たちだけであって、
普通のOLはタクシーには滅多に乗れないと思う。
私は歌詞で聴くほうなので、歌詞に感情移入できないと
その曲を深く好きになれない。
宇多田ヒカル自身もわかっているようだけど、10代で
ビッグアーチストになったおかげで、普通の暮らしや普通の人間関係が
できなくなっていったせいで、失ったものも多かったのだと思う。
宇多田ヒカルを聴く普通の人と感覚が乖離していくのも
ビッグスターにはしょうがないことなのかもしれない。
宇多田ヒカルの話が出て、氷室京介と同じだなと思った。
同じようなことを言っている。
氷室京介はテレビのインタビューで、
「日本だと周りがなんでもやってくれる。でもロサンゼルスだと
そうはいかない。自分ひとりでどれだけやれるか、
試してみたくなっちゃったんだよね」
と語っている。
トップスターというのは、誰しもこういう悩みを抱えるのかも。
いつしか誰にも何も苦言を呈されることがなくなり、
自由にやれる反面、手ごたえのなさを感じるのかもしれない。
やっぱり、それはダメ、それはおもしろくない、もっとこうすべきって
言ってくれる人がいないとね。
結局、一流と超一流というのはそこで差がつくのだろう。
周りにイエスマンばかりだと一流止まり。異論を唱えてくれる人がいて、
その異論に耳を傾けられる人が超一流になっていく。
耳を傾けてくれる人には言おうと思える。
そういう雰囲気をつくっている人が企業でもトップになっていく。
つくづく「耳の痛いことを言ってくれる人がいる」ことが大事だと思う。
それには、好きな人と会ってばかりいてはダメなのだとも思う。
この人とは合わないな、ちょっと苦手だなと思う人とも
会ってみないといけない。
そうやって私も懐の深いおじさんになっていきたい。