つけめんとは

外での仕事のあと、大勝軒というラーメン店で食事した。
そう、あの泣く子も黙るつけめんの有名店である。
店内に入るとテーブル上にメニューと一緒に講釈が書かれたものがある。
そこに、大勝軒の生みの親、Y氏によるつけめん解説が載っていた。
「つけめんは温かいつけ汁に冷たい麺が出てくるが、
スープがぬるくなってしまうという人がいる」と書いてある。
「おれのことじゃないかっ!」
これは読まねばなるまい。
「そんなことをいう人はつけめんのことがまるでわかってない」
「な、なにぉう!! 」
かなり挑発的なのである。
つけめんはつけ汁が冷たい麺でぬるくなっていく段階で、
どんどん味が変わって本来の味が引き出されていくのだそうだ。
さらに、つけ汁が薄まっていく段階でも味がどんどん変わり、
その段階、段階でそれぞれ味が楽しめるのだという。
有名ラーメンブロガーが言いそうな講釈である。
ふ〜ん、それは知らんかった。
でも私はいろんな味を楽しみたくはない。
「この味」で一回の食事を終えたい。


それで気づいたことがある。
バイキングの店に行くと、お腹的には満足なのだが、
それ以外のところで何か満たされないものがある。
その理由が、「これを食った!」感の欠如なのではないかと。
バイキングではいくつもの料理を何種類も食べる。
そうなると、「これを食った!」と思うことができない。
とんかつならとんかつ、カレーならカレー、寿司なら酢飯。
これというものを食べたといえるが、バイキングだとそれがない。
そうか、何か満たされる感覚はそういうことだったのか。
やっぱり「この味」で一回の食事を成し遂げたいのだ。
女性は少量ずつ、多種類を食べたいと思うかもしれないが、
男性は「今日はこれを食った!」と思いたいものである(私だけ?)。
ということは、つけめんも繊細な味を区別できる女性向の食事
ということができるのかもしれない。


あんまり挑発的なもの言いだったので、
つけめんではなく、普通にラーメンを食べた夜でした。
(でもおいしかったヨ)