いまに団塊世代が流行をつくるようになる

「必死でオリコンチャートを追ってたら、若者に迎合してるんじゃないか
と思われそう」とか、「いやもう、恥ずかしながら流行の歌手なんか
知りません」と卑屈になる必要はない。
私は予言する。
今後、流行をつくるのは団塊世代になるに違いない。
流行というのは、商品が売れるから生まれる。
洋服もCDもコスメも売れるから流行ができる。
いま若い子たちのほうが、可処分所得が多いのである。
高校生はバイトをやっていたりするから、
月に10万円のこづかいを使うなどザラである。
30代子持ちが最も趣味などに使えるお金が少なくて、
3万とか多くても5万円というのが相場だろう。
若い未婚のサラリーマンやOLも可処分所得は多いが、
実家暮らしは別として一人暮らしになると10万円も自由になる金はない。
しかし、今後は人口減少社会になる。
若い人が減る。高齢者が増える。
しかも、裕福な高齢者が増える。
そうなると、高齢者が商品のトレンドをつくるようになる。
オリコンチャートは演歌が独占する。
パリコレもモデルは高齢者ばかりになる。
するとどういうことが起きるか。
おじさんが若者に向かって、「え? 氷川きよし知らないの? 
そりゃヤバイよキミ」ということになる。
渋谷センター街よりも、巣鴨の刺抜き地蔵のほうが
トレンドの発信地になる。
若者は流行についていくのがやっとになる。
「あたしったら、いま流行りの曲ってぜんぜん知らないんだ」と
19歳が言うようになる。
――とまあ、ここまで極端なことは起こらないだろうけど、
似たようなことは必ず起こる。
いやもう起こっている。
すごい世の中だ。