ジャパン、あともう一歩!

深夜1時のキックオフ。
やっと来た! ジャパンの歴史をつくる日が!
ラグビーW杯の第2戦、対フィジーである。
試合経過は割愛するが、24−35と11点ビハインドで残り10分。
ここからが凄かった。
1トライを返して31−35として、残り5分。
トライで逆転という状況まで持ち込み、さらに攻め続ける。
マイボールを続け、何度も何度も何度も前に突進する。
1メートル、2メールと本当に本当にちょっとずつ前進する。
ラグビーはプレーが止まらない限り、時間が過ぎても続行する。
勝っているチームが故意に反則を犯しても続行する。
後半40分を過ぎてもジャパンの猛攻は止まらない。
ジャパンは自分たちが反則をしないようにパスでつなぎ、
当たっては跳ね返され、跳ね返されては当たる。
疲れて動きが鈍いのがよくわかる。気力だけで走っている。
しかし、後半45分ごろ、パスが乱れて相手に蹴り出されて
ゲームは終わった。最後の、奇跡の、大逆転劇は起こらなかった。
けれども、最後の猛攻は涙なしには見られない勇敢な戦いだった。
ノーサイドの笛と同時に多くの選手がその場に倒れこんだ。
これほど血湧き肉踊るゲームはいままでなかった。
前回オーストラリア大会では低くて激しいタックルで強豪国を苦しめ、
現地メディアから「ブレイブ・ブロッサム」(勇敢な花:花は桜を意味
する。桜はジャパンのシンボルマーク)と称えられたのだが、
今回は最後の執念の攻撃でブレイブぶりをいかんなく発揮した。
フランスのスタジアムはジャポン、ジャポンの大合唱だったし、
試合が終わってもスタンディングオベーションは鳴り止まなかった。
負けたけど、ただの負けではなかったことの証だ。
最後まであきらめていけないのだ、ということを改めて教えてもらった。
ありがとうをいうのはまだ早すぎる。
次の戦いは20日のウェールズ戦。
季節はずれのサクラをパッと咲かせてほしい。