「ロビンソン漂流記」を読了

どんなに忙しくても仕事場までの往復の電車内では
本を読む時間を持てるのが、東京郊外型サラリーマンのいいところ。
てなわけで、「ロビンソン漂流記」を熟読した。
片道45分だけで読み終えてしまう本もあれば、この本のように
帰りの電車だけで10日間ぐらいかかる本もあります。
それぐらい興味深く読みました。
ロビンソンはまったく宗教に興味をもたない人だったが、
「なぜ自分がこの無人島にやってきたか」を自問自答するうちに
聖書を手にとるようになります。
やがて敬虔なクリスチャンになっていきます。
最後には自分が無人島に漂着したことに感謝するようになっていきます。
そういう心境に達するまでの心理描写が綿密になされていて、
作者の親切さが見えた気がしました。
ロビンソンは土器をつくったり、パンを焼いたり、山羊を飼うように
なっていきます。難破した舟の中に最初から相当の物資が積み込まれ
ていて、苦労はするのですが、ないないずくしではないんですね。
「〜をするのに50日かかった」といって、ひとつの道具をつくるのに
非常に長い年月を要したことがサラッと書いてある。
こうした作業が具体的でリアルなので、やはりモデルの人物から
かなり詳細に聞き出したのではないかなと思います。
人との会話がないので、単調になるかと思いきや、
ぜんぜんそんなことはなくて、たのしませながら一気に読ませてしまう。
こういうのを少年時代に読んでいたらと思うと残念です。
冒険小説の最高峰と呼ばれているだけに、
読み応えのある作品でした。