えなり氏の訴訟に注目だ

俳優のえなりかずき氏が夕刊紙などを訴えた。
風俗通いをしていたと報じていたのは事実無根で、名誉毀損にあたるという。
2200万円の支払いと謝罪を求めている。
私が注目するのは、「風俗通いが名誉毀損にあたるのか」ということ。
名誉毀損というのは、
名誉(社会的な評価。認められているということ。評価を得ていること)
を損なわれたということである。
事実無根を報道されたという意味での訴えならわかる。
しかし、今回は名誉が損なわれたとして訴えているのである。
今回の名誉毀損が成立するなら、
「ディスカウントストアに通い詰めていた」ということを書いたら
名誉毀損にあたるのか。
では、「スターバックスに通い詰めていた」ではどうなのか。
私が言いたいのは、風俗店とディスカウントストアとスターバックス
どれだけの違いがあるのかということだ。
えなり氏は清純派で売っている。だからイメージが損なわれるという
ことがいいたいのだと思う。
だったら、セレブのイメージを売りにしている人がディスカウントストア
に通っていたとバラされたら名誉毀損に当たるのか。
風俗店だって、ディスカウントストアだって誰でも行くじゃないの
という考え方もできる。
どんな職業であれ、お店であれ、そこでサービスを受けたり、モノを
買ったりしたことで名誉が損なわれるということがあっていいものか。
もし自分がつくった本を誰かが買って、
「そんな本を買って読んだなんてバラされたなんて、名誉毀損だ」と
言われたら、私は深く傷つく。
「あたしらの商売って名誉毀損に当たるようなものなの?」と思うはず。
今回の件では、ウソを書かれたということと、損害を被ったことを
問題にすべきだったと思う。
司法がどう判断するか見ものだ。
これで名誉毀損について認めるようなら、この国は終わりかもしれない。
少なくとも私は今回の件で、逆に彼へのイメージは悪くなった。
自分のどこかに、他者を卑下する心が潜んでいないか、
私たちは考える必要がある。