フェロモンって何?

よく使われていながら、実体がこれほどあやふやなものはあるまい。
フェロモンとはいったい何か?
フェロモンの本をつくるために、ある研究者を訪ねた。
なかなか興味深い話だった。
人には嗅覚のほかに、鋤鼻器(じょびき)という感覚器があり、
感知される化学物質があるのだという。
その化学物質がフェロモンではないかということらしい。
フェロモンは昆虫の世界ではメジャーで、ファーブルをはじめ
多くの研究者がすばらしい実績を残している。
暗闇で生活する生物は視覚以外の情報で、
日々の生活や生殖行動を行うからだ。
その生物にとって必要のないものは退化し、必要なものは進化する。
それは環境に順応し、生き残るため。
人間の鋤鼻器はほぼ退化しているらしいのだが、まだ機能はしている。
たぶん、視覚とか嗅覚が発達したため、退化したということなのだろう。
生殖行動において、フェロモンが重要な役割を果たしていることは
間違いないから、人と人との関係において、フェロモンがよい方向に
利用される日も近いかもしれない。
なかなかおもしろい本になりそうです。