子育てのヒント 

NHKの「ダーウィンが来た!」をよく見ている。

動物の生体を詳しく描いていてなかなかおもしろい。

北海道のエゾリスの回はとくによかった。

エゾリスの天敵はカラスなのだそうだ。

子育ての時期、小さな赤ちゃんを母リスが懸命に守る。

カラスに巣を特定されないように、頻繁に引っ越し、

ダミーの巣をつくったりもする。

カラスも生きるために必死だし、カラスも卵をリスに

食われることがあるからせめぎ合う。

でも、映像の中では子リス3匹のうち2匹がカラスに食われてしまう。

残った母リスは自分よりも大きいカラスに向かって何度も威嚇する。

すごい剣幕で何十メートルも追っかけてカラスを追いやる。

その気迫たるや、すごいものがあった。

そうして必死で守った一匹の子リス。

ある時期になると子を寄せ付けないようになる。

巣立ちの季節だ。

あんなに死に物狂いで守った子なのに、その時が来たら

あっさり別れる。別れたらもうそれっきりだ。

いつか別れてそれっきりになるのに自分の命をかけて守る。

母というのはそれほど強い。

哺乳類の子育てはだいたいそう。

親はある時期が来たら子に急に冷たくなる。

人間から見れば「冷たくなる」のだが、彼らからすれば

生きていくためのトレーニングを施しているわけだ。

動物の生き方は、迷ったときの指針を与えてくれる。