生きづらい社会への処方箋 その4

ひきこもりの人たちを最も苦しめているのが、

親世代に強固に支持されている社会規範、

すなわち「働くべき」「自立すべき」という考えだ。

こう考えられているから、ひきこもりは「問題である」と

認識されている。

確かに憲法においても国民の三大義務として、

納税の義務」「教育を受けさせる義務」と並んで

「勤労の義務」というのはあるにはある。

だが、働かないことが問題になるのは、経済面においてだけだ。

変な話、資産家の家に生まれた子弟で、

働いていない人たちはたくさんいる。

それが問題にならないのは、働かなくても食っていけるだけの

お金があるからだ。

ただ、99.9%の引きこもりはそういう環境にないため、

働けないことは問題になる。

では、働いている人に問題がないかといったらそうでもない。

生きづらさを抱えたまま仕事をしている人がいる。

そういう人は、働き続けながら「自分の世界に」ひきこもっている。

精神的なひきこもりだ。

こういう人は、問題にされないのだが、生きづらさは抱えている。

がんばりが限界になるうつの症状を発症したりするようになったり、

会社に行けなくなってしまう。

この社会の生きづらさの根源は、

やはり許容範囲の極めて狭い、不寛容な世界にあるのだと思う。

そのことがネットによって助長されている。

この流れはちょっとやそっとでは変えられない。

社会は簡単には変えられないから、やっぱり最初の話に戻って

自分が変わるしかない。

その変わるためのヒントを、誰かが提示しつづけなければね。

その誰かに自分がなれたらと思う。