校庭芝生化への長い道のり10

近年、夏の最高気温が異常な水準に達しているわけだが、

ここで芝生の遮熱効果についても述べておこう。

芝生を設置すると、猛暑日などだと表面温度の違いは、

土の校庭と芝生の校庭で歴然とした差が出る。

芝生は、土と比べて表面温度は10度くらい下がる。

運動会で組体操をするときなどは裸足でやるはずで、

このとき水をまいたりしているが、

芝生なら水をまく必要はない。

気温としても3度ぐらい低くなる。

芝生でグラウンド表面温度が下がるメカニズムはこうだ。

植物は、水分を地中が吸い上げ、養分を吸収して、

光合成に使用し、それ以外を葉から大気中に放出する。

これを蒸散という。

このとき、植物自身の温度を下げ、地表面の温度も下げる。

これは夏に打ち水をすると涼しくなる効果と同じだ。

水が気体となるときに熱を奪う。これが気化熱だ。

森の中がひんやりと涼しいのはこのせいだ。

校舎南側にある校庭の温度が3度下がれば、

教室のエアコンの冷房は、1,2度上げることができるだろう。

全教室で冷房の温度を1、2度上げられたら

省エネ効果は相当なものになる。