方言礼賛

僕はケンミンショーという番組が大好きなのだが、
その一つは、いろんな地方の方言が聞けるから。
多様性が大事なので、言語的にも方言が大事だと思う。
記事を書くときにも、勘所で方言を使う。
「もうほんまにお金がありゃせんのじゃ」
中国地方の人ならわかるこのニュアンス。
これを標準語で、
「もう本当にお金がないんだよ」
とやっちゃうともう台無し。
切実さが違っちゃう。
そんな気がするだけかもしれないけれど、
確かに違う気がするのだ。
編集者さんに直されたりすることもあるが、
再校、三校でこそっと直したりすることがある。
それが最終的に通ったりする。
小さな小さなレジスタンスである。
標準語というのは、すべての方言が混じった灰色言葉、
地方の言葉こそが、その地域の気候風土に合った、
素晴らしい色の言葉なのだ。