星野仙一のおもいで

私が唯一、自ら望んで色紙にサインをもらった人がいる。
それが星野仙一氏だ。
小学五年生のとき、クラスメイトに地元新聞社の記者を
していた父親をもつ子がいて、その子におねだりして
サインをもらったのだった。
子供の目から見ても、はっきりとわかるように
「夢」と書いてあった。
普通、サインは名前を書くものだと思っていたから面食らった。
それがサインをもらった最初で最後のことだ。
その星野氏が4日亡くなった。
生前、俺はいつも夢にチャレンジしているから若いのだ
と周囲に話していたらしい。
やはり揮毫を求められたときには、いつも「夢」と書いていたらしい。
ずっと応援していたが、鉄拳制裁にとどまらず、
鉄脚制裁も辞さないほど、手足が早い人だということがわかって、
応援しなくなった。
あのときもらった色紙はいまどこにあるかわからない。
後悔するのは、友達のお父さんに色紙ぐらいは渡すべきだった
ということだけだ。