不正を言い出せない雰囲気

東芝、日産、神戸製鋼……日本を代表するような企業が
まやかしでやっていた仕事が露見する事例が相次いでいる。
かつての日本企業はそんなことはなかったのになあ。
日本人というのは、真面目とかなんとかいうよりも、
不正に対する目は厳しいものだと思っていた。
そういう伝統が失われつつあるのだとしたら、寂しい限りだ。
思うのは、不正があってもそれを指摘できないような
職場の空気があるのかもしれない、ということ。
現場は上から高い達成目標を設定させられ、
これ以上できないというところまでやってもさらに向上を求められる。
「ほかに削るところはないか」と考えると、
グレーなところに手を出さなければならなくなる。
それがそのうち黒になっていく。
それに気づく人はいるが、そこには触れてはいけない
雰囲気があるのだろう。
誰がババを引くのか。引いた人だけ損をする。
それだけは自分はなりたくない、という感じなのかなと思う。
不正を指摘した人が評価されるようでないと、
この問題は違った形で出てくる。
それが難しいんだろうと思う。
やっぱりね、上がとか下がとかいうよりも
一人ひとりが社会全体の中で、自分がどんな役割を担っているかを
考えとかないといけないね。