腐敗と発酵

腐敗と発酵は何が違うのか。
どちらも菌が物質を分解することで起こる現象だ。
実は両者の違いは、現象面ではないといってよい。
人間にとって有害なものは腐敗で、
有用なものを発酵といっているに過ぎない。
いい匂いのものは発酵で、くさいものは腐敗というのは、
ある意味で当たっている。
人間が食べられるもの、体にいいものは、長年食べてきたので、
それをいい匂いと感じられる遺伝子を持つ人が生き残った。
逆に、体に悪いものをいやな匂いと感じられる人は、
腐ったものを食べずにすむので、長生きできて
やはりそうした遺伝子をもつ人が生き残ったにすぎない。
言葉は違うけど、まったく同じものというものは多い。
雑草と草花もそうだ。
人間にとってやっかいなものを雑草といい、
そうでないものを草花といって、特別に愛でたりする。
発酵したものを人間が食べてきたのは、
発酵しないと消化されにくかったからだという説がある。
タンパク質の多い食べ物がそうだ。
グルテンの強い小麦粉、牛乳、大豆など。
これらがパンになり、チーズやヨーグルトになり、納豆になった。
微生物の働きというのはおもしろいもんだ。