「なんでもしてくれる券」

子どもはよく「肩たたき券」などをくれると思う。
小3の長女が小2のときだったか、私の誕生日か、父の日に
券をくれた。それは単に「肩たたき券」ではなく、
「お手伝い券」や寒い冬のときに横に寝て温めてあげるという
意味の「あたため券」があった。
そして、さらに「なんでもしてくれる券」というのがあった。
それをいうなら、「なんでもしてあげる券」だろう
と思ったが、指摘しなかった。
これは使えるなと思った。
その後、「なんでもしてくれる券」は風呂掃除など
お手伝いしてもらうのに何枚か使った。
3年生になってから、券で風呂掃除を頼むと
あからさまに嫌そうな顔をして、
「もう絶対、券あげない……」とつぶやいていたので笑った。
券は30枚ぐらいあったが、使ったのであと10枚ぐらいになった。
私は肩がこったことがないので、肩たたき券は減らない。
「なんでもしてくれる券」はまだあと2,3枚ある。
30歳になっても実家を出ていこうとしないとき、
32歳になっても結婚しようとしないときに、
この券を使おうと思っている。
そのときには、「『なんでもしてくれる券』だから、これは私が
なんでもしてもらえる券なのだと反論してくるかもしれないが……。