アドラーとの出会い 前編

私は世間でブームになっていることや、話題になっていることに
敏感ではないし、すぐにそうした本を読んだり、映画を見たり、
観光したりすることはない。
けれども、実際に会った人の口から聞かされると、
どうにも気になって、読んだり見たりせずにはいられなくなる。
それが今回は、「アドラー心理学」だった。
数々のベストセラーが生まれているのだから、
出版業界の人間なら一番に読めよと思われるかもしれないが、
そうした職業観念にとらわれて読んでも少しも面白くないばかりか、
仕事にもつながらないことがよくあることを、私はこれまで
何度も経験している。
なので、自分が持っている問題意識と、その話題になっているテーマ、
友人、知人が教えてくれたということが揃わないとなかなか
食指が動かないのである。
いま幼稚園の教えの本と、ひきこもりをテーマとした
本を企画している。
いろいろと共通するキーワードが出てくる。
それが最近このブログでよく言及している発達障害などなのだが、
今回は、ひきこもりをかつて体験した人から、
しきりにアドラー心理学の話が出てくるので、
私もついにそこに触れてみることにしたわけだ。
最初に読んだのが、書店で見かけた
「100分de名著 人生の意味の心理学」である。
これはNHKの番組を書籍化したもの。
これは岸見一郎さんという人が著者なのだが、
このあと、同じ著者の『アドラー心理学入門』も3分の2を読んだ。
読んでみると、幼稚園の園長の話と符合することが多いことに
非常に驚いた。
園長もどこかでアドラーの教えに、直接的にか間接的にか
触れたのかもしれない。
こういうことはよくあるのだ。