白夜はどう読む?

白夜というのは、北極、南極に近い地点で
太陽が沈まないか、少しの間にしか太陽が沈まないために
夜がない状態のことをいう。
これを説明すると、子どもは
「じゃあ、いつ寝るの?」というのだが、
「そんなもん眠くなったら寝んかい!」という話だ。
この「白夜」は、「びゃくや」と読むのが一般的だろう。
だけど、白い夜と書いてびゃくやはないだろう。
空がうっすらと白くなる夜だから、白夜なのだ。
これをびゃくやと読むようになったのが、
昭和40年代に登場した森繁久弥さんの「知床旅情」らしい。
「♪はるか国後に 白夜[ビャクヤ]は明ける♪」と歌われたことが、
「びゃくや」が広まるきっかけになったらしい。
もとは「はくや」が正しいという。
なんで「はくや」が「びゃくや」になったのか。
私の推測だが、「白夜」を「百夜」と見間違えたのではないか。
知床旅情」は森繁久彌さんの作詞作曲だ。
自分で作曲したときには、文章で読んで白夜を知っていた。
でも、これを「百夜」と見間違え、「びゃくや」と発音した。
詩を起こした人も百夜と書かれているのを「白夜」に
直したんだろう。
スタッフは、森繁のことだから、何か意図があるのだろうと
そのままにしたのかもしれない。
ただ、当時の「知床旅情」を聞くと、
「ここはやっぱりハクヤじゃなく、ビャクヤだよなあ」
と思ってしまう。
私が生まれるはるか昔の歌だけど、よい曲だなあ。