子供のおもしろさは一瞬のもの

子供はときどきおもしろい言葉を吐く。
でも、こういうのってないですか。
「あのときあの子がおもしろいことを言っていた。
でも、それがなんだったか、思い出せないんだよね」
我が家でも3人の子供たちが突拍子もない発想で、
あるいは無知であるがゆえに、あるいは無邪気であるがゆえに
吐く言葉によく笑わされる。
それはどんなお笑い芸人よりも、
機知に富んでいて、とんちとウィットに富んだ発言だ。
でも、それがおもしろいのは、普段のその子のキャラクターを
知っている周囲の人たちだけなのだ。
ここで不特定多数の人に話すような話ではない。
家族や祖父母、子供同士が友達の家族、幼稚園や学校の先生などの
中でのみ通用する「楽屋オチ」でしかない。
あの話を書き留めておけばよかった、と思うけれど、
それを後年読み返して面白くもなんともないだろう。
その「おもしろさ」というのはその一瞬限りのもの。
はかないものだ。
でも、だからこそ子供の発言には一言も聞き漏らさぬよう
耳をそばだてておく必要がある。
育児とか子供のためとかいうより、
おもしろい瞬間を逃さないためにね。