イメージによる訳語の選択

どこかの記事で「悪童のイメージをつけたい外国人選手の
一人称は必ず「オレ」になっている、と指摘していた。
その点、私も疑問に思うことがある。
ある海外の珍獣を探す番組で、現地ガイドが登場していた。
「ここから森の中にはいっていくぞ!
ここはとても危険だから、俺のそばを離れるなよ!」
と日本語訳がついていた。
いくらフレンドリーな外国人でも、そんなに馴れ馴れしい
いい方はしないだろう。
「ここからは森の中に入っていきます。
ここはとても危険ですから、私から離れないようにしてください」
といっているはずなのだ。
こういう言葉遣いの訳語の選択は、外見のイメージに左右される。
がたいがよくて、ひげを生やしていたりすると、
前者のようになるが、きゃしゃな女性だと後者にようになる。
こうやって演出しているんだね。
メディアに流れる情報には、こういう作り手のイメージが
たくさん盛り込まれていることを知っておくのは悪いことではない。