結婚のよいところ

前にメディアでは結婚のよい点は語られにくい
という話をした。
赤の他人の幸福な話は、嫉妬を生みこそすれ、共感は生みにくいし、
残念なことに「人の不幸は蜜の味」であることを否定できないからだ。
それに、そんなことを話したところで、のろけとしか受け取られない。
なので、結婚のよい点は、居酒屋で酒が入ったときに、
ごく身近な人の口からしか聞けない。
世の中に「結婚のよい点」が語られることが決定的に不足しているのだ。
ただ、結婚というのは、結婚したくない人が理由としてあげるような
損得勘定の面では、メリットをあげにくい。
それでもあえて言えば、一人で暮らしているときより、
格段に「おもしろいから」と答えるしかない。
できることは全部やってみたほうがいいという感覚がある。
やってみたら、本当におもしろいのだ。
たまにケンカしたり、我慢することがあっても、
ひとりで好きなことだけをやっているより断然おもしろい。
このおもしろさを伝えるのは難しいのだけど、
思い通りにならないことを、なんとか思い通りにならないかと
画策するおもしろさというかね。
思い通りになったときの達成感というかね。
一人で生きるには、人間は長生きになりすぎた。
結婚も死ぬまでのひとつのひまつぶしみたいなものだ。
ひまつぶしにしてはおもしろい。
それが結婚のような気がしている。