切り取ってみると

よく失言問題が起こったとき、
「前後の文脈をすっとばして、そこだけ切り取るなよ」
というのがありますね。
こういうことって、他のことにもありますね。
先日、大阪出張したとき、1歳ぐらいの子を抱っこしたお母さんが、
年長ぐらいの男の子の首にチョップを浴びせていた。
「もう、ちゃんと歩き! イライラする!」
と怒鳴った。ビシャっという音がした。
後ろから見ていて、子どもがかわいそうだった。
帰宅して妻にこのことを話すと、
「その前段階でいろいろあるんだよ。
そこだけのこと言われてもね……」
といった。
なるほど、前後の文脈があってのチョップだったのだな。
それはそうだ。
そこだけ切り取ってみると、子どもだけがかわいそうに思える。
でも、思い通りにならないことでストレスが募って、
思わず手が出てしまうこともあるだろう。
それを問答無用で切り捨ててしまうのもどうだろう。
もちろん、子どもに手を上げるのはよくないけれど、
それに過剰反応してしまうのがいまの世の中でもある。
もう少し子育てについて、子どもにも、親にも、
寛容な目で見つめることが必要だね。