校長の失言? その1 

大坂の中学校の校長先生が全校集会で生徒を前にして言った
ことが波紋を広げている。
この寺井寿男校長の発現を全部読んでみると、まったく問題ないどころか
とてもいいことを言っていると感じた。
ちょっとひっかかったのは、
「女性にとって最も大切なことは、こどもを二人以上生むことです。
これは仕事でキャリアを積むこと以上に価値があります」
という部分だけ。
仕事をしている女性より、子どもを産む女性のほうがエライと読める。
でも、そのあとで
「なぜなら、こどもが生まれなくなると、日本の国がなくなってしまう
からです。しかも、女性しか、こどもを産むことができません。
男性には不可能なことです」
ときちんと説明しており、好感を持った。
こういう発言は右寄りな意見としてとらえられ、
いまの時代、女性もいろんな生き方を選べるというのが、
左よりな意見としてとらえられる。
また、「国家のためには子どもが生まれることが大切」というのが、
右寄りで、「個人の自由な生き方が尊重されるべき」というのが、
左寄りの意見とされる。
こういう論争はとかくイデオロギー論争になりがちで、
右対左の様相になってしまう。
でも、大事なことは、子どもが生まれないとどうなるかということを
みんなで考え、国のあるべき姿を考えるべきなのではないか。
子どもが生まれないと、人口は縮小していく。
その段階でさまざまなサービスが受けられないといったことが起きる。
それは医療とか介護とか、その他、さまざまなことだ。
これをどうにかするには移民を受け入れるしかない。
もはや将来にわたって移民をたくさん受け入れることが
必要なことは明らかな情勢だろう。
問題は、どれくらいのスピードで移民を受け入れるかということなのだ。
急激に移民を増やすと、日本の文化、慣習を知らない人が増えて、
社会が不安定化する。
私は民族主義者ではないから、純血日本人なんてものを守る必要はないと
思っている(そもそも日本人自体が混血)し、どんな肌の色の人と
近所づきあいや親せきづきあいをすることになってもかまわない。
ただ、急激な変化は困るから、なだらかに変化していってほしいだけ。
子どもが生まれる数が少ないと、他にも年金は誰が払ってくれるのかとか
いろんなことを考えていかざるをえないわけだ。
この校長は、子どもを産まない人も里親になればいいといっているし、
男も子育てに参加せよといっていて、とてもバランスが取れている。
どうしてこういった発言が問題になるかわからない。
たぶん、国家の問題を女性のみに押し付けているように受け取られている
のだろうと思う。そうではないのだけどね。
こういう発言に過剰に反応してしまうところが、
いまの日本を反映している。(その2につづく)