空も飛べるはず

あるとき家にいると、別の部屋でドタン、ドタンと音がする。
見ると、小2の長女がソファーから床に飛び降りている。
手にはうちわを1つずつ持っている。
続けて見ていると、うちわをバサバサやりながら、飛び降りている。
「なにやってんの?」
「(空を)飛びたいんだよ」
というのだ。
「跳ぶ」のと「飛ぶ」のでは大きく違う。
「どう、飛べそう?」と聞くと、
「もうちょっとがんばったらね」という。
彼女はどうやら本気らしいのだ。
「人間が飛べるはずない!」といきなり否定しないで、
「鳥は体が軽くて、大きな翼を持っている」などと説明したが、
あまり聞いていない。
「でも、ギャグだよね? 本気で飛べると思っている?」
というとうなづく。どうやら本気らしい。
小2ってこんなレベルなのかなと愕然とした。
大丈夫かと思った。
自分の子だからしょうがないけど、まだまだ幼い。
こんなバカバカしいことを心底信じられるのは、
本当のバカ者か、すごいことをやってのける者か、どちらかだ。
できれば、後者であってほしいのだがなあ。